評価・監視・ガードレール

コスト監視とは|渡す文書を10件にすると、出力の割合が35.4%から11.6%に

コスト監視で何を見るのか費用はどこで増えるのかどう減らせばよいのか

問い合わせ1件のトークン数を数えました。文書を渡さないと入力84・出力46で、出力が35.4%を占めます。

文書を10件渡すと入力352・出力46になり、出力の割合は11.6%まで下がります。増えているのは入力だけです。

この記事の要点

  • 文書0件なら入力84・出力46
  • 文書10件なら入力352・出力46
  • 出力の割合は35.4%から11.6%
  • 月額は41.45ドルから76.82ドル

渡す文書を10件にすると、出力の割合が35.4%から11.6%に

問い合わせ1件のトークン数を実際に数えました。渡す文書を増やすと、入力だけが増えます。

コスト監視で見るべき場所を確かめるため、実際に数えました。指示・問い・渡す文書・返ってきた答えを分けてトークン数を出しています。

数えたのは実物です。実際に使われている符号化の仕組みを入れて、そのまま数えました。渡す文書の件数だけを変えています。

python
for k in [0, 1, 3, 5, 10]:
    ctx = count(''.join(DOCS[:k]))
    inp = sys_t + q_t + ctx
    rows.append((k, ctx, inp, ans_t, inp + ans_t))
text
渡す件数  指示  問い  文脈  入力の合計  出力  1件の合計
     0件    70    14     0          84    46        130
     1件    70    14    30         114    46        160
     3件    70    14    85         169    46        215
     5件    70    14   134         218    46        264
    10件    70    14   268         352    46        398

渡す件数  入力の割合  出力の割合
     0件       64.6%       35.4%
     1件       71.2%       28.7%
     3件       78.6%       21.4%
     5件       82.6%       17.4%
    10件       88.4%       11.6%

上の表を見てください。出力はどの行でも46トークンです。増えているのは入力だけです。

割合が入れ替わる

文書を渡さない場合、出力は全体の35.4%を占めます。3件に1件以上が出力ぶんです。

10件渡すと11.6%まで下がります。出力を短くする工夫が効きにくい構成になっています。

月額に直すと

text
渡す件数  月間の入力      月間の出力     月額     0件との差
     0件   3,696,000      2,024,000     41.45ドル      +0.00ドル
     1件   5,016,000      2,024,000     45.41ドル      +3.96ドル
     3件   7,436,000      2,024,000     52.67ドル     +11.22ドル
     5件   9,592,000      2,024,000     59.14ドル     +17.69ドル
    10件  15,488,000      2,024,000     76.82ドル     +35.38ドル

文書を10件渡すと、月額は41.45ドルから76.82ドルになりました。1.85倍です。

増えたぶんはすべて入力です。出力の月間トークンは2,024,000のまま動きません。

文書を増やすと入力だけが伸びる。出力は動かない。

文書0件入力84出力46130トークン文書3件16946215トークン文書10件35246398トークン問い合わせ1件での実測。出力の割合は35.4%から11.6%まで下がる。
図1 ── 1件あたりのトークンの内訳
出典Anthropic ドキュメント「Pricing」2026-08-18 確認
Track token consumption to identify optimization opportunities
原文Anthropic ドキュメント「Pricing」 この内容の有効期限2027-02-18

コスト監視で何を見るのか

合計額ではなく、入力と出力に分けて見ます。どちらが多いかで、打つ手がまったく変わります。

コスト監視は、呼び出しの費用を分解して把握する取り組みです。合計額だけを見ても打つ手が決まりません。

分けて見る

  1. 入力と出力。単価が違うので必ず分ける
  2. 用途ごと。どの機能からの呼び出しか
  3. モデルごと。同じ処理でも単価が違う
  4. 1件あたりと合計。件数が増えたのか、1件が重くなったのか

4番目が分かれ目です。合計が倍になったとき、件数が倍なのか1件が倍なのかで対処が変わります。

入力と出力で単価が違う

多くの提供元で、出力のほうが単価が高く設定されています。前の節で使った値も、出力が入力の5倍です。

ただし前の節のとおり、量では入力が88.4%を占めます。単価と量の両方を見ないと、どちらが効くか決まりません。

同じものを毎回送っている

前の節の表で、指示はどの行でも70トークンでした。毎回同じ内容を送っています。

Anthropicのドキュメントも、同じ大きな指示・文書・会話の履歴を毎回処理し直す代わりに、通常の入力価格の一部で読み出す仕組みがあると説明しています。

余談 この計測での注意

トークン数は実測ですが、単価と件数は置いた値です。金額そのものではなく、渡す件数を変えたときにどこが増えるかという関係を見てください。トークンの数え方そのものはトークン使用量追跡の記事で扱っています。

出典Anthropic ドキュメント「Pricing」2026-08-18 確認
Instead of reprocessing the same large system prompt, document, or conversation history on every request, the API reads from cache at a fraction of the standard input price.
原文Anthropic ドキュメント「Pricing」 この内容の有効期限2027-02-18

費用を減らすときに手を付ける順番

入力が大半を占めるので、まず入力から手を付けます。使い回しと、急がない処理のまとめ方が効きます。

コスト監視で内訳が見えたら、多いほうから手を付けます。前の節では入力が88.4%を占めていました。

入力を減らす

  1. 渡す文書の件数を見直す。10件から3件で入力が352から169に
  2. 同じ部分を使い回す。毎回送る指示を対象にする
  3. 渡す前に絞る。関係のない文書を落とす
  4. 出力を短くする。割合が小さいので効きにくい

4番目を先にやりがちですが、出力は全体の11.6%です。半分にしても全体では6%ほどしか減りません。

使い回しの元が取れる条件

使い回す仕組みには、最初に置くときの費用がかかります。何回読み出せば元が取れるかが決まっています。

Anthropicは、読み出しは通常の入力価格の10%であり、5分の保持なら1回、1時間の保持なら2回の読み出しで元が取れるとしています。

急がない処理をまとめる

すぐ返す必要のない処理は、別の経路に回せます。大量の要求を非同期で処理し、入力と出力の両方で50%の割引が適用されると案内されています。

夜間の一括処理や、集計の下ごしらえが向きます。利用者が待っていない処理を仕分けるところから始めてください。まとめ方そのものはバッチ処理の記事で扱っています。

多いほうから手を付ける。出力は後回しでよい。

充足 2 / 4入力と出力を分けて集計している単価が違ううえ、量の比も構成によって35.4%から11.6%まで動く1件あたりと合計を分けて見ている合計が増えたとき、件数か1件の重さかで対処が変わる出力を短くすることから始めている文書を10件渡す構成では、出力は全体の11.6%しかない毎回同じ指示を送り直している使い回せば、読み出しは通常の入力価格の10%になるトークン数は実測、単価と件数は置いた値での数え上げ。月額は41.45ドルから76.82ドルに増えた。
図2 ── コスト監視の点検項目
出典Anthropic ドキュメント「Pricing」2026-08-18 確認
The Batch API allows asynchronous processing of large volumes of requests with a 50% discount on both input and output tokens.
原文Anthropic ドキュメント「Pricing」 この内容の有効期限2027-02-18

よくある質問

費用はどこで増えるのですか
渡す文書を増やすと入力だけが増えます。この計測では出力は46トークンのまま変わりませんでした。
出力を短くすれば安くなりますか
文書を多く渡す構成では効きにくくなります。出力の割合が11.6%まで下がるためです。
同じ指示を毎回送るのは無駄ではないですか
同じ部分を使い回す仕組みがあります。読み出しは通常の入力の1割の価格だと案内されています。
急がない処理も同じ値段ですか
まとめて非同期で処理する経路があり、入力と出力の両方が5割引になると案内されています。

まとめ

  • 呼び出しの費用を分解して把握する取り組み
  • 文書を増やすと入力だけが増える
  • 出力の割合は35.4%から11.6%
  • 減らす順番は入力が先

今日から始められること

  1. 呼び出しの記録から、入力と出力のトークン数を分けて集計する
  2. どちらが多いかを確かめる
  3. 入力が多いなら、渡す文書の件数を見直す
  4. 同じ部分を毎回送っているなら、使い回す仕組みを検討する

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