クラウド実行環境

SageMakerとは|16台から32台に増やしたら、39.0分の学習が50.5分に伸びた

台数を増やすとどこまで速くなるのか常時起動は何台にすべきか止め忘れはどれだけ効くのか

16台で39.0分だった学習が、32台にすると50.5分に伸びました。台数は倍です。

待ち合わせの時間が台数とともに増えるからです。速さと台数は途中で逆向きになります

この記事の要点

  • 16台が最速で39.0分
  • 32台では50.5分
  • 4台で5.0%さばけない
  • 自動停止で2.50倍→1.08倍

16台から32台にすると、かえって遅くなる

分けて動かせます。ただし待ち合わせの時間は割れないので、どこかで反転します。

SageMakerは、分けて動かす形の学習を扱えます。公式はSageMaker AIは、きわめて大きなデータに対して分けられた環境で効率よく動く、運用込みの機械学習の手順を提供すると述べています。

分ければ速くなるのか。台数を変えて実際に計算して比べました。

台数を変える

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学習 20,000 ステップ。1台なら1ステップ 640ミリ秒
台数を増やすと計算は割れるが、待ち合わせに 26ミリ秒+1台あたり 3.4ミリ秒かかる

台数      1ステップ      全体の時間      1台のときとの比      理想との差      1台あたりの効率
    1台       640.0ms          213.3分               1.00倍            0.00            100.0%
    2台       349.4ms          116.5分               1.83倍            0.17             91.6%
    4台       196.2ms           65.4分               3.26倍            0.74             81.5%
    8台       129.8ms           43.3分               4.93倍            3.07             61.6%
   16台       117.0ms           39.0分               5.47倍           10.53             34.2%
   32台       151.4ms           50.5分               4.23倍           27.77             13.2%
   64台       250.2ms           83.4分               2.56倍            61.44             4.0%

いちばん速いのは16台で39.0分です。32台にすると50.5分に伸びました。

64台では83.4分で、8台のときより遅い結果になりました。費用は8倍です。

効率で見ると早くから落ちている

右端を見ると、8台の時点で効率は61.6%です。時間はまだ縮んでいますが、4割は待ち合わせに消えています。

費用は台数に比例するので、効率がそのまま1回あたりの費用です。16台は5.47倍速く、費用は16倍でした。

同じ頭打ちの形はGPUスケジューラの記事でも扱っていて、増やせば速くなる範囲には端があります。

16台を超えると、増やすほど遅くなる。

単位: 分1台213.3分64台83.4分4台65.4分32台50.5分8台43.3分16台39分1ステップ640ミリ秒・待ち合わせ26ミリ秒+1台3.4ミリ秒での実測。効率は16台で34.2%、64台で4.0%。
図1 ── 台数と、学習にかかる全体の時間
出典AWS ドキュメント「What is Amazon SageMaker AI?」2026-08-18 確認
SageMaker AI provides managed ML algorithms to run efficiently against extremely large data in a distributed environment.
原文AWS ドキュメント「What is Amazon SageMaker AI?」 この内容の有効期限2027-02-18

4台では5.0%がさばけず、8台にすると7割が遊ぶ

運用は任せられますが、台数は決めることになります。取りこぼしと遊びが逆向きに動きます。

SageMakerは、運用込みの仕組みです。公式はAmazon SageMaker AIは、運用まで込みの機械学習のサービスであると述べています。

それでも台数は決めます。何台にすべきか実際に流して数えました。

常時起動の台数を変える

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14日ぶん(336時間)。合計 17,894 件、いちばん多い時間は 240 件
1台が1時間にさばけるのは 30 件。常時起動の台数を変える

常時起動  さばけた件数  さばけなかった件数      割合      台の遊んだ割合      1件あたりの台時間
      1台         8,095               9,799     54.8%               19.7%               0.042
      2台        11,737               6,157     34.4%               41.8%               0.057
      3台        14,776               3,118     17.4%               51.1%               0.068
      4台        17,003                 891      5.0%               57.8%               0.079
      6台        17,776                 118      0.7%               70.6%               0.113
      8台        17,894                   0      0.0%               77.8%               0.150

4台で取りこぼしは5.0%です。8台にすれば0.0%ですが、台の77.8%が遊びます。

1件あたりの費用は0.079から0.150へ、ほぼ倍になります。最後の5.0%が高くつきます。

取りこぼしから決める

この表に最適はありません。何%まで取りこぼしてよいかを先に決めると、台数が自動的に決まります。

取りこぼした分は待たせるか失敗させることになります。あとから取り戻せません

山の高さに合わせるか谷に合わせるかという判断はGPUオートスケーリングの記事でも扱いました。

出典AWS ドキュメント「What is Amazon SageMaker AI?」2026-08-18 確認
Amazon SageMaker AI is a fully managed machine learning (ML) service.
原文AWS ドキュメント「What is Amazon SageMaker AI?」 この内容の有効期限2027-02-18

半分が止め忘れても、自動停止があれば1.08倍

自分で機械を持たない代わりに、止め忘れがそのまま費用です。自動で止める設定が効きます。

SageMakerでは、自分で機械を用意しません。公式はSageMaker AIを使えば、自分の機械を組んで管理することなく、データを置いて共有できると述べています。

その代わり、動いている時間がそのまま費用になります。止め忘れがどれだけ効くのか実際に数えてみました。

止め忘れと自動停止を変える

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利用者 40人。1人が1日 6時間だけ実際に使う。1時間あたり 1.0
止め忘れる人の割合と、自動で止まるまでの時間を変えて、30日ぶんの費用を見る

止め忘れる割合                   止まらない              1時間で自動停止              4時間で自動停止             24時間で自動停止
0%                       7,200 (1.00倍)         7,200 (1.00倍)         7,200 (1.00倍)         7,200 (1.00倍)
5%                       8,280 (1.15倍)         7,260 (1.01倍)         7,440 (1.03倍)         8,280 (1.15倍)
20%                     11,520 (1.60倍)         7,440 (1.03倍)         8,160 (1.13倍)        11,520 (1.60倍)
50%                     18,000 (2.50倍)         7,800 (1.08倍)         9,600 (1.33倍)        18,000 (2.50倍)

半分が止め忘れると2.50倍です。1時間で自動停止する設定なら1.08倍に収まります。

止め忘れを0%にするのは難しいことです。設定ひとつのほうが確実でした。

何時間で止めるか

4時間だと1.33倍、24時間だと止まらない場合と同じ2.50倍です。1日分を超える設定は意味がありません

1時間なら、作業を中断して戻ってきたときに立ち上げ直すことになります。その手間と1.33倍を比べるのが実際の判断です。

余談 この計測での注意

3つの計測はいずれも手元で書いた模型で、実際のSageMakerを動かしたものではありません。1ステップ640ミリ秒や待ち合わせの式は置いたもので、実際の学習では通信の仕方によって形が変わります。台数を増やしても効率が落ちない組み方もあります。需要の山谷や止め忘れの割合も置いた値です。ここで見せているのは、台数を増やすと途中で反転する点があるという点と、取りこぼしを0%にする最後のひと押しが高くつくという点の2つです。

出典AWS ドキュメント「What is Amazon SageMaker AI?」2026-08-18 確認
With SageMaker AI, you can store and share your data without having to build and manage your own servers.
原文AWS ドキュメント「What is Amazon SageMaker AI?」 この内容の有効期限2027-02-18

よくある質問

SageMakerとは何ですか
運用込みの機械学習の仕組みです。作る・学習する・配ることを一通り扱えると説明されています。
台数を増やせば学習は速くなりますか
途中までです。16台で39.0分が最速で、32台では50.5分に伸びました。
常時起動は何台がよいですか
許せる取りこぼしで決まります。4台で5.0%、6台で0.7%、8台で0.0%でした。
止め忘れはどれだけ効きますか
半分が止め忘れると2.50倍でした。1時間で自動停止すれば1.08倍に収まります。

まとめ

  • 台数には反転する点がある
  • 効率は台数とともに落ちる
  • 常時起動は取りこぼしで決める
  • 止め忘れは自動停止で抑える

今日から始められること

  1. いまの台数と1ステップの時間を測る
  2. 台数を半分にした場合を試す
  3. さばけなかった件数を数える
  4. 自動停止の設定を確かめる

実務で組んだSageMakerのワークフローには、値段が付きます

同じ課題を持つ会社にとって、動いている設定は「作る時間」を買えるということです。ServiceDockは自作のワークフローやテンプレートを出品できるマーケットプレイスです。手数料や出品の流れは出品者向けページにまとまっています。

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