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pass@kとは|10回試すと91.0%、伸びたのは中間の帯だけだった

pass@kとは何を測るのか回数を増やすとどれだけ上がるのか上がった数字は何を意味するのか

1回で通った課題は59.5%でした。10回試すと91.0%になります。数字だけ見れば大きく伸びています。

ところが難しさ別に分けると、伸びているのは中間の帯だけでした。難しい28件は10回試しても10件しか通りません。

この記事の要点

  • 1回で59.5%、10回で91.0%
  • 易しい89件は1回で80件通る
  • 難しい28件は10回でも10件
  • 伸びたのは中間の83件

10回試すと91.0%、伸びたのは中間の帯だけだった

試す回数を変えて走らせました。全体の数字は伸びますが、内訳を見ると伸びている場所が限られます。

pass@kで回数を増やすと何が起きるのかを、実際に走らせて測りました。用意したのは課題200件です。

課題ごとに1回で通る確率を変えてあります。易しいもの、ふつうのもの、難しいものを混ぜました。

javascript
for (const k of [1, 2, 3, 5, 10]) {
  const passed = trials.filter((row) => row.slice(0, k).some(Boolean)).length;
  // passed が、k回のうち1回でも通った課題の数
}
text
試す回数  1件でも通った課題  全体に対する割合  1課題あたりの試行
    1回            119件             59.5%                1回
    2回            152件             76.0%                2回
    3回            160件             80.0%                3回
    5回            174件             87.0%                5回
   10回            182件             91.0%               10回

難しさ            件数   1回で通る  10回で通る
易しい                89件        80件         89件
ふつう                83件        39件         83件
難しい                28件         0件         10件

上の表を見てください。1回だと59.5%、10回だと91.0%です。31.5ポイント伸びました。

伸びた中身

下の内訳が中身を示しています。ふつうの帯は39件から83件に増えました。44件の増加です。

易しい帯は80件から89件で、増えたのは9件だけです。もともとほとんど通っているので、伸びしろがありません。

難しい帯は動かない

難しい28件は、1回では0件でした。10回試しても10件です。

つまり18件は10回試しても一度も通りません。全体の数字が91.0%まで上がっても、この18件は解けないままです。

伸びているのは中間の帯。難しい帯はほとんど動かない。

易しい89件1回で通った8010回で追加989件ふつう83件394483件難しい28件1010件課題200件での実測。全体では1回59.5%、10回91.0%だった。
図1 ── 難しさ別に見た、通った課題の数
出典Chen et al.「Evaluating Large Language Models Trained on Code」2026-08-18 確認
repeated sampling from the model is a surprisingly effective strategy for producing working solutions
原文Chen et al.「Evaluating Large Language Models Trained on Code」 この内容の有効期限2027-02-18

pass@kとは何を測るのか

k回試して1回でも通れば成功と数える測り方です。通ったかどうかを機械で判定できることが前提になります。

pass@kは、k回試して1回でも通れば、その課題は解けたと数える測り方です。

どこから来たか

この測り方は、コードを書かせる課題の評価から広まりました。元になった論文は、プログラムの合成について機能的な正しさを測るために公開した新しい評価用の集合を示しています。

コードならテストを実行すれば通ったかどうかが分かります。判定に人が要りません。ここがこの測り方の前提です。

使うために要るもの

  1. 機械で通ったと判定できる。テストや突き合わせで決まる
  2. 何度も試せる。1回あたりの費用が許せる
  3. どれを使うか選べる。通ったものを取り出せる
  4. 課題が複数ある。1件では割合にならない

3番目が抜けると意味がなくなります。どれが通ったか分からないなら、10回試しても選べません。同じ問いを何度も解かせて多数決を取る手立ては自己整合性の記事で扱っています。

なぜ回数を増やすと上がるのか

1回で通る確率が5割の課題なら、2回試せばどちらかが通る確率は7割5分になります。回数を増やすほど上がります。

元の論文も、モデルから繰り返し標本を取ることが、動く解を得るうえで驚くほど有効な方策であるとしています。前の節の実測でもふつうの帯が39件から83件になりました。

余談 この計測での注意

課題ごとの通る確率はこちらで置いた値です。実際のモデルを呼び出してはいません。ここで見せているのは、全体の割合が伸びても内訳では帯によって動き方が違うという関係です。実際に測るときは、自分の課題で同じ内訳を出してください。

出典Chen et al.「Evaluating Large Language Models Trained on Code」2026-08-18 確認
a new evaluation set we release to measure functional correctness for synthesizing programs
原文Chen et al.「Evaluating Large Language Models Trained on Code」 この内容の有効期限2027-02-18

pass@kの数字の読み違え

回数を明示せずに数字だけを比べることです。同じモデルでも、回数が違えば数字は大きく変わります。

pass@kでいちばん多い読み違えは、回数を確かめずに数字を比べることです。

同じモデルでも数字が変わる

前の節の実測では、同じ条件でも59.5%と91.0%の両方が出ました。違うのは回数だけです。

元の論文も、1つの課題につき100個の標本で、課題の70.2%を解けると回数を明示しています。回数を書かない数字は比べられません。

実務の使い方と合わせる

実務では1回で返すことが多いです。その場合、実態に近いのは1回のときの数字です。

10回の数字を見て導入を決めると、使ったときの感触と合いません。試す回数と、測る回数をそろえてください。

解けない課題は残る

前の節では、難しい28件のうち18件が10回試しても一度も通りませんでした。

全体の数字が上がっても、この部分は動きません。どの課題が解けていないかを見ないと、何が残っているか分かりません。

回数を書かない数字は比べられない。

充足 2 / 4回数が明示されている同じ条件でも回数だけで59.5%と91.0%に分かれる実際に試す回数と測る回数をそろえている1回しか試さないなら、1回の数字が実態になる全体の割合だけを見ている難しい帯の18件は10回試しても一度も通らなかった通ったかどうかを人が判定している何度も試す測り方なので、判定が機械でできないと回らない課題200件での実測にもとづく。難しさ別では易しい89件・ふつう83件・難しい28件だった。
図2 ── pass@kを読むときの点検項目
出典Chen et al.「Evaluating Large Language Models Trained on Code」2026-08-18 確認
we solve 70.2% of our problems with 100 samples per problem
原文Chen et al.「Evaluating Large Language Models Trained on Code」 この内容の有効期限2027-02-18

よくある質問

回数を増やせば成績は上がりますか
上がります。ただしこの計測では、上がっているのは中間の帯だけでした。難しい課題はほとんど通りません。
10回試すのは実務で使えますか
通ったかどうかを機械で判定できる場合に限ります。判定できないと、どれが正解か選べません。
1回で通る割合も見るべきですか
見るべきです。実務では1回で返すことが多いので、10回の数字だけでは使ったときの感触と合いません。
何回を基準にすればよいですか
実際に試す回数と同じにしてください。1回しか試さないなら、1回の数字が実態です。

まとめ

  • 何回か試して1回でも通れば成功と数える測り方
  • 1回で59.5%、10回で91.0%
  • 伸びたのは中間の帯だけ
  • 難しい課題は回数を増やしても通らない

今日から始められること

  1. 通ったかどうかを機械で判定できるか確かめる
  2. できるなら、1回のときの割合を先に測る
  3. 回数を増やして、どこまで伸びるか見る
  4. 課題を難しさ別に分けて、内訳を見る

実務で組んだpass@kのワークフローには、値段が付きます

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