クラウド実行環境

FinOpsとは|手当たり次第に7割つけても、金額では70.4%しか割り当たらなかった

FinOpsでは何を最初にやるのかタグ付けはどこから進めるのか進み具合はどう測るのか

資源2000件のうち7割にタグを付けました。金額で見た割り当て率は70.4%です。

高い順に400件だけ付けた場合は83.7%でした。件数は2割です。

この記事の要点

  • 手当たり次第7割で金額70.4%
  • 高い順に2割で83.7%
  • 上位1%は金額の8.3%
  • 上位半分で99.1%

手当たり次第に7割つけても、金額では70.4%しか割り当たらなかった

件数で進めると、金額の割り当ては件数と同じ割合にしかなりません。順番を変えると差が出ます。

FinOpsで最初にやるのが、費用を持ち主に結びつけることです。出典もこの力を最初に挙げています。

その言い方は資源の費用を処理・個々の組織・製品の所有者に割り当てられる力が、効率的な使い方を促し、無駄を減らすのに役立つというものです。

計測に使った資源

月額の偏った資源2000件を作りました。最も高い1件が9948、最も安い1件が1.01です。

実際のクラウドの請求と同じく、少数の高額な資源が総額の大半を占める形にしています。

付け方を変える

text
タグ付けの仕方              付けた件数  割り当てられた金額  未割り当て
手当たり次第に半分                        1022件               50.0%     1178816
手当たり次第に7割                        1399件               70.4%      697646
高い順に100件                          100件               35.4%     1521218
高い順に400件                          400件               83.7%      383253
全部に付ける                           2000件              100.0%           0

手当たり次第に付けると、金額の割合が件数の割合とほぼ同じになります。半分で50.0%、7割で70.4%です。

高い順に400件だけ付けた場合は83.7%でした。件数では2割しか付けていません。

同じ400件でも、選び方で結果が変わります。手当たり次第なら20%前後にしかなりません。

同じ労力でも、高い順に進めたほうが金額は速く埋まる。

単位: %高い順 400件83.7%手当たり次第 7割70.4%手当たり次第 半分50%高い順 100件35.4%資源2000件・月額合計2355804での計算。高い順400件は件数では2割にあたる。
図1 ── 付け方ごとの割り当て率
出典AWS Well-Architected Framework「Expenditure and usage awareness」(コスト最適化の柱)2026-08-18 確認
The capability to attribute resource costs to the workloads, individual organization, or product owners drives efficient usage behavior and helps reduce waste.
原文AWS Well-Architected Framework「Expenditure and usage awareness」(コスト最適化の柱) この内容の有効期限2027-02-18

高い順に進めれば、上位半分で99.1%に届く

全部に付ける必要はありません。どこで手を止めるかを、金額の分布から決められます。

FinOpsを始めるとき、タグ付けを全件やろうとして止まる例が多くあります。どこまでやれば足りるのかを分布から見ました。

text
高い順に何件を見るか  件数の割合  その中に入る金額の割合
上位 20件                      1.0%                    8.3%
上位 100件                     5.0%                   35.4%
上位 200件                    10.0%                   58.9%
上位 400件                    20.0%                   83.7%
上位 1000件                   50.0%                   99.1%
上位 2000件                  100.0%                  100.0%

上位1%の20件だけで、金額の8.3%が入ります。1件あたりの重みが桁違いです。

上位半分まで進めると99.1%です。残り1000件は件数が多いわりに、金額では1%を切ります。

進める手順

  1. 集める。資源を月額の高い順に並べる
  2. 調べる。上から順に持ち主を確かめる
  3. 報告する。未割り当ての金額を出す
  4. 止める。金額が細かくなった時点で打ち切る

出典も進め方をチームはデータを集め、分析し、それから報告しなければならないと述べています。順番はそのまま使えます。

何に割り当てるか

割り当て先は、費用の増減を決められる単位にします。止める判断ができない相手に割り当てても、数字が動きません

実務では課やチームの単位になります。クラウドコスト最適化の記事では、割り当てのあとに止める手を測っています。

出典AWS Well-Architected Framework「Expenditure and usage awareness」(コスト最適化の柱)2026-08-18 確認
Your team must gather data, analyze, and then report.
原文AWS Well-Architected Framework「Expenditure and usage awareness」(コスト最適化の柱) この内容の有効期限2027-02-18

定点で見るのは、件数ではなく未割り当ての金額

報告の単位を件数にすると進み具合が実際より良く見えます。金額で出すと止めどころも見えます。

FinOpsを続けるには、毎月見る数字を決めます。この計測から言えるのは件数では足りないということです。

見る数字

  1. 未割り当ての金額。誰のものか言えない費用
  2. 未割り当ての最大額。放置している最も高い1件
  3. 単位あたりの費用。処理1件や利用者1人あたり
  4. 前月との差。増えた分がどこから来たか

1番目と2番目は同じ表から出ます。高い順に400件付けた場合の未割り当ては383253で、総額の16.3%です。

件数で報告すると「2000件中400件」なので20%です。同じ状態が20%とも83.7%とも言えます

何の判断に使うか

割り当てた費用は、価値と並べて初めて意味を持ちます。出典も正確な費用と使用量の把握により、組織単位や製品がどれだけ収益性を持つかを理解でき、組織内のどこに資源を配分するかについてより十分な情報にもとづく判断ができると述べています。

3番目の単位あたりの費用が、その並べ方にあたります。総額が増えても、単位あたりが下がっていれば問題ないことがあります

件数で報告すると、進み具合が実際とずれる。

充足 2 / 4金額で進み具合を出している高い順400件は件数では20%だが、金額では83.7%にあたる未割り当ての金額を毎月記録している残りの383253がどこにあるかを追わないと手が止まる全件にタグを付けようとしている上位半分で金額の99.1%に届き、残りは労力に見合わない総額だけを前月と比べている処理量が増えていれば、総額が増えても単位あたりは下がる資源2000件・月額合計2355804での計算にもとづく。
図2 ── 報告する前の点検項目
余談 この計測での注意

月額の分布は1から10000まで対数一様に置いたものです。実際の請求はもっと偏り、上位数件で半分を超えることもあります。偏りが強いほど、高い順に進める効き目は大きくなります。ここで見せているのは、件数と金額の進み具合がずれるという関係です。

出典AWS Well-Architected Framework「Expenditure and usage awareness」(コスト最適化の柱)2026-08-18 確認
Accurate cost and usage monitoring allows you to understand how profitable organization units and products are, and allows you to make more informed decisions about where to allocate resources within your organization.
原文AWS Well-Architected Framework「Expenditure and usage awareness」(コスト最適化の柱) この内容の有効期限2027-02-18

よくある質問

FinOpsでは何から始めますか
費用を持ち主に結びつけるところからです。誰のものか分からない費用は、止める判断も減らす判断もできません。
タグ付けはどこから進めますか
金額の高い順です。この計測では上位20%の400件で、金額の83.7%を割り当てられました。
件数で進み具合を報告してよいですか
金額でも出してください。この計測では件数7割のときの金額が70.4%で、両者がずれます。
全部にタグを付ける必要はありますか
上位半分で金額の99.1%に届きます。残りは件数が多いわりに金額が小さく、労力に見合いません。

まとめ

  • 費用を持ち主に結びつける
  • 進めるのは金額の高い順
  • 件数と金額はずれる
  • 定点で見るのは未割り当て額

今日から始められること

  1. 資源を月額の高い順に並べる
  2. 上位から順に持ち主を確かめる
  3. 未割り当ての金額を毎月記録する
  4. 件数ではなく金額で進み具合を報告する

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