平日9時から17時しか使わない環境は、時間で見れば全体の23.8%しか要りません。
止める運用を入れると71.5%減りました。ただし手作業だと62.0%止まりです。
使っていない時間を止めるのが最も効きます。手作業では止め忘れが一定量残ります。
クラウドコスト最適化で最初に効くのが使っていない時間を止めることです。実際に計算して、どこまで減るのかを見ました。
用意したのは開発・検証の環境20台です。8週間ぶんを見て、平日9時から17時だけ使う想定にしました。
開発・検証の環境 20台。8週間(1344時間)を見る 実際に使うのは平日9時から17時の 320時間。全体の 23.8% 止め方 払った台時 削減率 1台あたりの消し残り 止めない 26880 0.0% 1024時間 手で止める(止め忘れ 20%) 10225 62.0% 191時間 自動で止める(例外申請 5%) 7655 71.5% 63時間 理想(使う時間だけ) 6400 76.2% 0時間
止めないままだと、1台あたり1024時間が使われないまま動いています。8週間のうち4分の3以上です。
出典もこの考え方を使った計算資源にだけ支払い、業務の必要に応じて使用量を増減させることと述べています。
手で止める運用では削減率が62.0%でした。理想の76.2%とは14ポイント離れています。
止め忘れは2割としました。1回忘れると翌朝までつきっぱなしになるので、1回の重みが大きくなります。
自動で止める運用にすると71.5%です。例外申請を5%残しても、消し残りは1台あたり63時間まで下がります。
止めない状態の無駄が最も大きい。手作業では取り切れない。
Pay only for the computing resources you consume, and increase or decrease usage depending on business requirements.原文AWS Well-Architected Framework「Design principles」(コスト最適化の柱) この内容の有効期限2027-02-18
需要に合わせて増減させると支払いは減ります。増やす判断から使えるまでの遅れが、そのまま取りこぼしになります。
クラウドコスト最適化の次の手が需要に合わせて台数を増減させることです。効き方を実際に走らせて測りました。
30日ぶん・1時間ごとの需要720点を使います。平均15.4台、最大39台です。増やしてから使えるまで2時間かかるものとしました。
置き方 払った台時 さばけなかった要求 取りこぼし率 固定 10台 7200 5026台時 45.3% 固定 20台 14400 1982台時 17.8% 固定 30台 21600 352台時 3.2% 自動増減 ×1.0 11107 1454台時 13.1% 自動増減 ×1.2 13625 663台時 6.0% 自動増減 ×1.5 16829 241台時 2.2% 需要の合計は 11104台時。これが取りこぼし0で払える最小値。
固定30台は21600台時を払って取りこぼし3.2%です。自動増減の1.5倍は16829台時で2.2%と、両方で上回ります。
自動増減の1.0倍は11107台時で、需要の合計11104とほぼ同じです。ところが取りこぼしが13.1%あります。
台数の合計は足りているのに、届く時刻がずれています。2時間の遅れがそのまま山の頭を削ります。
余裕を1.2倍にすると6.0%、1.5倍にすると2.2%です。遅れを埋めるために先回りして増やすという形になります。
どこで止めるかは、取りこぼし1件の重さで決まります。出典も処理が生む業務上の成果と、提供にかかる費用を測ることを挙げています。
費用だけを見ると1.0倍が最も安く見えます。取りこぼしの列を隣に置かないと判断できません。
Measure the business output of the workload and the costs associated with delivery.原文AWS Well-Architected Framework「Design principles」(コスト最適化の柱) この内容の有効期限2027-02-18
止める前に契約すると、使わない時間まで約束することになります。順番には理由があります。
クラウドコスト最適化には手が何種類もあります。順番を決めておかないと、後の手が前の手を打ち消します。
4番目を先にやると、使わない時間のぶんまで約束します。あとから止めても、契約した分は払い続けます。
この計測でいえば、止めない状態の26880台時に対して契約することになります。実際に要るのは6400台時です。
順番を守るには、どの環境が誰のものかが分かっている必要があります。分からないと止める判断ができません。
出典もこの点をこれは投資利益率の測定に役立ち、処理の所有者に対して資源を最適化し費用を削減する機会を与えると述べています。
割り当てが済んでから、リザーブド・コミット割引の記事で測った谷を引きます。順番が逆だと谷そのものが動きます。
止めてから契約する。逆にすると割引が無駄になる。
止め忘れ20%・例外申請5%という値は置いた前提です。実際の割合は組織の習慣で大きく変わります。需要の形も式で作った波で、行事や季節の偏りは含みません。ここで見せているのは、止める手の効き幅が最も大きく、手作業では取り切れないという関係です。
This helps measure return on investment (ROI) and gives workload owners an opportunity to optimize their resources and reduce costs.原文AWS Well-Architected Framework「Design principles」(コスト最適化の柱) この内容の有効期限2027-02-18
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