クラウド実行環境

クラウドコスト最適化とは|止める運用で71.5%減、手作業だと62.0%止まりだった

クラウドコスト最適化はどこから手を付けるのか止める運用でどれだけ減るのか自動で増減させると何が起きるのか

平日9時から17時しか使わない環境は、時間で見れば全体の23.8%しか要りません。

止める運用を入れると71.5%減りました。ただし手作業だと62.0%止まりです。

この記事の要点

  • 使う時間は全体の23.8%
  • 自動で止めると71.5%減
  • 手作業だと62.0%減
  • 自動増減は2時間の遅れが効く

止める運用で71.5%減、手作業だと62.0%止まりだった

使っていない時間を止めるのが最も効きます。手作業では止め忘れが一定量残ります。

クラウドコスト最適化で最初に効くのが使っていない時間を止めることです。実際に計算して、どこまで減るのかを見ました。

用意したのは開発・検証の環境20台です。8週間ぶんを見て、平日9時から17時だけ使う想定にしました。

止め方を変える

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開発・検証の環境 20台。8週間(1344時間)を見る
実際に使うのは平日9時から17時の 320時間。全体の 23.8%

止め方                        払った台時  削減率  1台あたりの消し残り
止めない                               26880    0.0%              1024時間
手で止める(止め忘れ 20%)                    10225   62.0%               191時間
自動で止める(例外申請 5%)                     7655   71.5%                63時間
理想(使う時間だけ)                          6400   76.2%                 0時間

止めないままだと、1台あたり1024時間が使われないまま動いています。8週間のうち4分の3以上です。

出典もこの考え方を使った計算資源にだけ支払い、業務の必要に応じて使用量を増減させることと述べています。

手作業の限界

手で止める運用では削減率が62.0%でした。理想の76.2%とは14ポイント離れています。

止め忘れは2割としました。1回忘れると翌朝までつきっぱなしになるので、1回の重みが大きくなります。

自動で止める運用にすると71.5%です。例外申請を5%残しても、消し残りは1台あたり63時間まで下がります。

止めない状態の無駄が最も大きい。手作業では取り切れない。

単位: 台時止めない26880台時手で止める10225台時自動で止める7655台時理想6400台時開発環境20台・8週間での計算。使う時間は平日9時から17時の320時間だった。
図1 ── 止め方ごとの払った台時
出典AWS Well-Architected Framework「Design principles」(コスト最適化の柱)2026-08-18 確認
Pay only for the computing resources you consume, and increase or decrease usage depending on business requirements.
原文AWS Well-Architected Framework「Design principles」(コスト最適化の柱) この内容の有効期限2027-02-18

自動で増減させても、遅れのぶんは取りこぼす

需要に合わせて増減させると支払いは減ります。増やす判断から使えるまでの遅れが、そのまま取りこぼしになります。

クラウドコスト最適化の次の手が需要に合わせて台数を増減させることです。効き方を実際に走らせて測りました。

30日ぶん・1時間ごとの需要720点を使います。平均15.4台、最大39台です。増やしてから使えるまで2時間かかるものとしました。

固定と自動を並べる

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置き方              払った台時  さばけなかった要求  取りこぼし率
固定 10台                    7200              5026台時         45.3%
固定 20台                   14400              1982台時         17.8%
固定 30台                   21600               352台時          3.2%
自動増減 ×1.0                11107              1454台時         13.1%
自動増減 ×1.2                13625               663台時          6.0%
自動増減 ×1.5                16829               241台時          2.2%

需要の合計は 11104台時。これが取りこぼし0で払える最小値。

固定30台は21600台時を払って取りこぼし3.2%です。自動増減の1.5倍は16829台時で2.2%と、両方で上回ります。

余裕を持たせる理由

自動増減の1.0倍は11107台時で、需要の合計11104とほぼ同じです。ところが取りこぼしが13.1%あります。

台数の合計は足りているのに、届く時刻がずれています。2時間の遅れがそのまま山の頭を削ります

余裕を1.2倍にすると6.0%、1.5倍にすると2.2%です。遅れを埋めるために先回りして増やすという形になります。

出した価値と並べる

どこで止めるかは、取りこぼし1件の重さで決まります。出典も処理が生む業務上の成果と、提供にかかる費用を測ることを挙げています。

費用だけを見ると1.0倍が最も安く見えます。取りこぼしの列を隣に置かないと判断できません

出典AWS Well-Architected Framework「Design principles」(コスト最適化の柱)2026-08-18 確認
Measure the business output of the workload and the costs associated with delivery.
原文AWS Well-Architected Framework「Design principles」(コスト最適化の柱) この内容の有効期限2027-02-18

手を付ける順番を間違えると、割引が効かなくなる

止める前に契約すると、使わない時間まで約束することになります。順番には理由があります。

クラウドコスト最適化には手が何種類もあります。順番を決めておかないと、後の手が前の手を打ち消します

止めてから契約する

  1. 止める。使っていない時間の支払いを消す
  2. 合わせる。需要に応じて台数を増減させる
  3. 測る。残った使用量を1時間ごとに並べる
  4. 契約する。残った量に対して割引を当てる

4番目を先にやると、使わない時間のぶんまで約束します。あとから止めても、契約した分は払い続けます

この計測でいえば、止めない状態の26880台時に対して契約することになります。実際に要るのは6400台時です。

誰の費用かを分ける

順番を守るには、どの環境が誰のものかが分かっている必要があります。分からないと止める判断ができません。

出典もこの点をこれは投資利益率の測定に役立ち、処理の所有者に対して資源を最適化し費用を削減する機会を与えると述べています。

割り当てが済んでから、リザーブド・コミット割引の記事で測った谷を引きます。順番が逆だと谷そのものが動きます。

止めてから契約する。逆にすると割引が無駄になる。

充足 2 / 4使っていない時間を止めている止めないと1台あたり1024時間、8週間の4分の3が無駄になる取りこぼしを費用と並べている自動増減1.0倍は最も安いが、取りこぼしが13.1%残る止める前に契約している止めない状態の26880台時に対して約束することになる止めるのを手作業に任せている止め忘れ20%で1台あたり191時間の消し残りが出る開発環境20台・8週間と、30日ぶんの需要720点での計算にもとづく。
図2 ── 進める前の点検項目
余談 この計測での注意

止め忘れ20%・例外申請5%という値は置いた前提です。実際の割合は組織の習慣で大きく変わります。需要の形も式で作った波で、行事や季節の偏りは含みません。ここで見せているのは、止める手の効き幅が最も大きく、手作業では取り切れないという関係です。

出典AWS Well-Architected Framework「Design principles」(コスト最適化の柱)2026-08-18 確認
This helps measure return on investment (ROI) and gives workload owners an opportunity to optimize their resources and reduce costs.
原文AWS Well-Architected Framework「Design principles」(コスト最適化の柱) この内容の有効期限2027-02-18

よくある質問

どこから手を付けますか
使っていない時間の停止です。この計測では開発環境20台で払う台時が26880から7655へ減りました。
手で止めるのでは駄目ですか
止め忘れが残ります。この計測では止め忘れ20%で1台あたり191時間の消し残りが出ました。
自動増減にすれば無駄は消えますか
消えません。この計測では増やしてから使えるまで2時間かかるため、余裕を1.2倍にしても6.0%を取りこぼしました。
契約による割引は先にやるべきですか
後です。止める前に契約すると、使わない時間の分まで約束することになります。

まとめ

  • 使っていない時間を止める
  • 手作業では止め忘れが残る
  • 自動増減には遅れがある
  • 契約は止めたあとで

今日から始められること

  1. 環境ごとに実際に使う時間帯を書き出す
  2. 止める運用を入れて台時の変化を測る
  3. 止め忘れが何時間残っているか数える
  4. 残った量に対して契約量を決める

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