データ基盤

ELTとは|列を10個に絞ったら、3年で19.4個が「捨てたのに必要」になった

ELTでは変換をどこで行うのか列を絞ると何が起きるのか変換先には何が要るのか

元データの列40個から10個だけ残しました。3年のあいだに必要になった列は22.5個です。

そのうち19.4個は捨てていた列でした。取り直しが要ったのは100.0%の試行です。

この記事の要点

  • 10個に絞ると19.4個が不足
  • 20個なら14.0個
  • 30個でも7.5個
  • 全部残せば0個

列を10個に絞ったら、3年で19.4個が「捨てたのに必要」になった

取り込みのときに要否を決めると、あとから増える用途に対応できません。判断は先送りできます。

ELTでは、入れた先で変換します。出典もこの点を端的に述べています。

その言い方はELTの流れでは、変換は入れた先のデータ置き場で起こるというものです。取り込みの段では変換しません。

だから取り込みのときに列を絞る必要がありません。絞った場合に何が起きるかを数えました。

残す列の数を動かす

元データの列を40個とし、取り込み時に一部だけ残します。3年のあいだに新しい用途が出てくる場です。

text
元データの列 40個。取り込み時に一部だけ残す
36か月のあいだに、新しい用途が出てきて列が必要になることがある

最初に残す列  あとで必要になった列  そのうち捨てていた列  取り直しが要った回数
10個                          22.5個                 19.4個                100.0%
20個                          22.3個                 14.0個                100.0%
30個                          22.5個                  7.5個                100.0%
40個                          22.2個                  0.0個                  0.0%

3年で必要になった列は、どの行でも22個前後です。残した数によらず、用途は同じだけ増えます。

違うのは3列目です。10個に絞ると19.4個が、捨てた側から必要になりました。

多めに残しても足りない

30個まで残しても7.5個が不足します。取り直しが要った試行は100.0%のままです。

0になるのは、全部残した場合だけです。絞る限り、どこかで足りなくなります

絞るほど、あとで足りなくなる列が増える。

単位: 個10個だけ残す19.4個20個残す14個30個残す7.5個全部残す0個列40個・3年ぶんを200回まわした平均。必要になった列はどの場合も22個前後だった。
図1 ── 最初に残す列と、不足した列
出典Microsoft Learn「Extract, transform, load (ETL)」(Azure Architecture Center)2026-08-18 確認
In the ELT pipeline, the transformation occurs in the target data store.
原文Microsoft Learn「Extract, transform, load (ETL)」(Azure Architecture Center) この内容の有効期限2027-02-18

変換の仕組みを1つ減らせる

入れた先の力で変換するので、間に別の仕組みを置きません。動かす部品が1つ減ります。

ELTのもう1つの利点は、構成が単純になることです。出典もこの点を挙げています。

その説明はこれは、変換の処理系を流れの中から取り除くことで構成を単純にするというものです。

減る部品

  1. 変換の処理系。別に用意して動かす必要がない
  2. 中間の置き場所。変換の途中を持たない
  3. 2つの環境の版ずれ。合わせる相手が減る
  4. 移す手順。変換後を運ぶ工程がない

3番目は運用で効きます。変換の仕組みと入れた先で、対応する形式や関数がずれることがなくなります。

規模も入れた先に乗る

変換の速さは、入れた先の能力で決まります。入れた先を大きくすれば、変換も速くなります

増やす場所が1か所になるので、見積もりも簡単になります。変換の仕組みだけが詰まる、という状態が起きません

その代わり、入れた先に負荷が集中します。問い合わせと変換が同じ場所を取り合います

出典Microsoft Learn「Extract, transform, load (ETL)」(Azure Architecture Center)2026-08-18 確認
This simplifies the architecture by removing the transformation engine from the pipeline.
原文Microsoft Learn「Extract, transform, load (ETL)」(Azure Architecture Center) この内容の有効期限2027-02-18

入れた先が非力だと、この形は成り立たない

変換をこなす力が前提です。その力がなければ、単純さも取り直しの手軽さも手に入りません。

ELTには条件があります。出典もただしELTは、入れた先の仕組みがデータを効率よく変換できるだけの力を持っている場合にのみ、うまく働くと断っています。

変換を先にやらないので、入れた先には元データがそのまま入ります。前の記事の計測でいえば、5倍の量です。

その量に対して変換を回せる必要があります。回せなければ、単に置き場所が増えただけになります。

確かめること

  1. 変換が時間内に終わるか。元データの量で試す
  2. 問い合わせと同居できるか。変換中の応答を見る
  3. 費用が量に比例するか。従量なら量がそのまま効く
  4. 置き場所が持つか。元データを残し続けられるか

3番目は見落としがちです。入れた先が使った分だけ課金される形なら、変換の重さがそのまま請求になります。

混ぜる形もある

全部を入れた先で変換する必要はありません。明らかに要らない行だけ先に落とすといった折衷ができます。

この計測で言えば、列は全部残しつつ、行は絞る形です。列の取り直しは0件のまま、量は減らせます。

置き場所と作り直しの釣り合いそのものはETLの記事で測っています。3年で保管3600GBと作り直し248.2時間の差でした。

変換をこなす力がなければ、置き場所が増えるだけ。

充足 2 / 4元データの量で変換を試している入れた先が非力だと、変換が終わらず形として成り立たない列を絞らずに入れている30個残しても、3年で7.5個が捨てた側から必要になる取り込み時に要否を判断している10個に絞ると19.4個が不足し、取り直しが100.0%の試行で発生する置き場所の増加を見ていない元データを残す分、置く量は数倍になる列40個・3年ぶんを200回まわした実測にもとづく。
図2 ── 選ぶ前の点検項目
余談 この計測での注意

新しい用途の出方は式で作った分布です。よく使う列ほど最初から残しているという偏りを入れていますが、実際にはまったく想定外の列が必要になることもあります。3年で22個という数も置いた前提です。ここで見せているのは、絞る限りどこかで足りなくなり、0にするには全部残すしかないという関係です。

出典Microsoft Learn「Extract, transform, load (ETL)」(Azure Architecture Center)2026-08-18 確認
However, ELT only works well when the target system is powerful enough to transform the data efficiently.
原文Microsoft Learn「Extract, transform, load (ETL)」(Azure Architecture Center) この内容の有効期限2027-02-18

よくある質問

ELTでは変換をどこで行いますか
入れた先で行います。別の変換の仕組みを間に置かず、入れた先の処理能力を使う形です。
列を絞るとどうなりますか
あとで必要になります。この計測では10個に絞ると、3年で19.4個が捨てた側から必要になりました。
多めに残せば安全ですか
30個残しても7.5個が不足しました。全部残して初めて、取り直しが0件になりました。
変換先には何が要りますか
変換をこなせる処理能力です。入れた先が非力だと、変換が終わらず成り立ちません。

まとめ

  • 取り出して入れてから変換する
  • 変換は入れた先で行う
  • 列を絞るとあとで足りなくなる
  • 変換先の能力が前提

今日から始められること

  1. いま使っていない列を数える
  2. 過去3年で新しく使い始めた列を数える
  3. その数と保管の単価を並べる
  4. 変換先の処理能力が足りるか確かめる

実務で組んだELTのワークフローには、値段が付きます

同じ課題を持つ会社にとって、動いている設定は「作る時間」を買えるということです。ServiceDockは自作のワークフローやテンプレートを出品できるマーケットプレイスです。手数料や出品の流れは出品者向けページにまとまっています。

出品の仕組みを見る