データ基盤

Amazon Athenaとは|1日ぶんを読むのに、区切っていなければ1095倍を読んでいた

どこに問い合わせるのか区切ると読む量はどう変わるのか区切っても効かない場合はあるのか

3年ぶん8760MBのうち、1日ぶんだけを読みたい場面です。区切っていなければ8760MBを読みます。

日で区切っていれば8MBです。同じ問い合わせで1095倍の差になります。

この記事の要点

  • 区切らないと1095倍
  • 年で区切ると365倍
  • 月で区切ると30.4倍
  • 日で区切ると1.0倍

1日ぶんを読むのに、区切っていなければ1095倍を読んでいた

読む量が費用に直結します。減らせるのは、置き場所の区切り方だけです。

Amazon Athenaは、動かした問い合わせに対して費用が立ちます。公式はAthenaは常駐する仕組みを持たないので、用意したり管理したりする基盤がなく、実行した問い合わせに対してのみ支払うと述べています。

つまり読む量を減らせば、そのまま費用が下がります。どこまで減らせるかを数えました。

区切り方を変える

3年ぶん・1日8MBで合計8760MBです。期間で絞る問い合わせに対して読む量を出します。

text
3年ぶん(1095日)・1日 8MB。合わせて 8,760MB
期間で絞る問い合わせに対し、区切り方を変えて読む量を見る

区切り方                1日ぶん        7日ぶん       30日ぶん      365日ぶん     1095日ぶん
区切らない                8,760MB     8,760MB     8,760MB     8,760MB     8,760MB
年で区切る                2,920MB     2,920MB     2,920MB     2,920MB     8,760MB
月で区切る                  243MB       243MB       243MB     2,920MB     8,760MB
日で区切る                    8MB        56MB       240MB     2,920MB     8,760MB

1列目を見てください。1日ぶんを読むのに、区切らなければ8760MB、日で区切れば8MBです。

同じ問い合わせで、費用が1095倍違います。書き方は変えていません。

区切りより細かくは絞れない

月で区切った行の1列目は243MBです。1日ぶんが欲しくても、1か月ぶんを読みます。

つまり区切りの単位が下限になります。細かく区切るほど、絞れる幅も細かくなります。

必要な分だけ読めた場合との比が、そのまま無駄になる。

単位: MB区切らない8760MB年で区切る2920MB月で区切る243MB日で区切る8MB3年ぶん8760MBから1日ぶんを読む場合。必要なのは8MBで、上の3つはそれぞれ1095倍・365倍・30.4倍を読む。
図1 ── 区切り方と、1日ぶんを読むときの読む量
出典AWS ドキュメント「What is Amazon Athena?」2026-08-18 確認
Athena SQL and Apache Spark on Amazon Athena are serverless, so there is no infrastructure to set up or manage, and you pay only for the queries you run.
原文AWS ドキュメント「What is Amazon Athena?」 この内容の有効期限2027-02-18

置き方が問い合わせの費用を決める

取り込む工程がない代わり、置いたときの並べ方がそのまま結果に効きます。

Amazon Athenaは、置いてあるものに直接問い合わせます。公式はAthenaは、標準のSQLを使って保管先のデータを直接分析することを容易にする、対話的な問い合わせの仕組みであると定めています。

「直接」なので、取り込んで並べ直す工程がありません。その代わり、置いたときの形がそのまま効きます。

置き方で決まる2つ

  1. 区切り方。前の節のとおり、読まずに済む範囲を決める
  2. 並べ方。列ごとなら使う項目だけ読める
  3. ファイルの大きさ。小さすぎると開く手間が積もる
  4. 圧縮。読む量そのものを減らす

1番目と2番目は掛け算になります。日で区切って列ごとに並べれば、両方の効果が乗ります

並べ方の効き目

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表 200,000行・1行あたり 12項目(1項目 4バイト)
集計に使う項目の数を変えて、読む量を見る

使う項目  行ごとに持つ形  列ごとに持つ形  比
1個                   9.2MB           0.8MB   12.0倍
2個                   9.2MB           1.5MB    6.0倍
3個                   9.2MB           2.3MB    4.0倍
6個                   9.2MB           4.6MB    2.0倍
12個                  9.2MB           9.2MB    1.0倍

1項目だけなら12.0倍の差です。この比は、区切りによる比とは別に掛かります。

日で区切って1項目だけ読めば、区切らずに全項目を読む場合と比べて1095倍と12.0倍の掛け算になります。

並べ方そのものの話はClickHouseの記事で扱っていて、量の比が時間の比になるとは限らない点も測りました。

出典AWS ドキュメント「What is Amazon Athena?」2026-08-18 確認
Amazon Athena is an interactive query service that makes it easy to analyze data directly in Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) using standard SQL.
原文AWS ドキュメント「What is Amazon Athena?」 この内容の有効期限2027-02-18

全期間を読む問い合わせでは、区切っても差が出ない

区切りが効くのは絞る場合だけです。速く返ってくることも、量を見落とす原因になります。

Amazon Athenaは自動で並列に処理します。公式はAthenaは自動的に規模を広げ、問い合わせを並行して実行するので、大きなデータ集合や込み入った問い合わせでも結果が速いと述べています。

速いことは、読む量が多くても待たされないということでもあります。

区切りが効かない場合

前の表の最終列を見てください。1095日ぶんを読む問い合わせでは、どの区切り方でも8760MBです。

全部を読む以上、区切りは関係ありません。効くのは絞る場合だけです。

365日ぶんの列も同じ傾向です。月で区切っても日で区切っても2920MBで変わりません。

見るべきもの

  1. 1回あたりの読んだ量。実行時間ではない
  2. 絞る条件が区切りと合っているか。合っていなければ効かない
  3. 全期間を読む問い合わせ。区切っても下がらない
  4. 実行の回数。読む量の合計はこれとの掛け算

2番目が見落とされます。日で区切っていても、絞る条件が別の項目なら効きません

同じ構図は、速さだけを見ていると量に気づけない場面で繰り返し出ます。BigQueryの記事でも同じ点を扱いました。

余談 この計測での注意

1日8MBという値は置いたもので、実際には日によって量が違います。区切りの単位より細かく絞れないという関係は変わりませんが、日ごとの量に偏りがあれば、読む量の比も変わります。ファイルの大きさや圧縮の効きは計算に入れていません。ここで見せているのは、同じ問い合わせでも置き方によって読む量が3桁変わること、絞らない問い合わせでは区切りが効かないことの2つです。

出典AWS ドキュメント「What is Amazon Athena?」2026-08-18 確認
Athena scales automatically—running queries in parallel—so results are fast, even with large datasets and complex queries.
原文AWS ドキュメント「What is Amazon Athena?」 この内容の有効期限2027-02-18

よくある質問

Athenaはどこに問い合わせますか
置いてあるファイルに直接です。標準のSQLで、保管先のデータをそのまま分析できると説明されています。
区切ると読む量はどう変わりますか
1日ぶんを読む場合、区切らなければ8760MB、日で区切れば8MBでした。
月で区切れば十分ですか
用途によります。1日ぶんを読みたい場合、月の区切りでは243MBで30.4倍を読みます。
区切っても効かない場合はありますか
全期間を読む問い合わせです。この場合、どの区切り方でも8760MBで同じでした。

まとめ

  • ファイルに直接問い合わせる
  • 区切ると読まずに済む
  • 区切りより細かくは絞れない
  • 全期間なら差が出ない

今日から始められること

  1. よく使う問い合わせの期間の幅を調べる
  2. いまの区切りの単位を確かめる
  3. その2つの比を出す
  4. 全期間を読む問い合わせを探す

実務で組んだAmazon Athenaのワークフローには、値段が付きます

同じ課題を持つ会社にとって、動いている設定は「作る時間」を買えるということです。ServiceDockは自作のワークフローやテンプレートを出品できるマーケットプレイスです。手数料や出品の流れは出品者向けページにまとまっています。

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