エージェント基盤・プロトコル

スキルのパッケージ化とは|手順書6本を毎回渡すと68,050トークン、必要なときだけなら13,258トークン

スキルのパッケージ化とは何をする仕組みなのか毎回渡すのと何が違うのかどこまで切り出せばよいのか

AIに社内の手順を守らせたいとき、手順書を毎回まとめて渡すか、使うときだけ読ませるかで作りが分かれます。

手順書6本を実際に作って測ったところ、10回の依頼で毎回渡すと68,050トークン、必要なときだけ読むと13,258トークンでした。5.1倍の差です。

この記事の要点

  • スキルは手順をまとめて、使うときだけ読ませる単位
  • 手順書6本を10回の依頼で毎回渡すと68,050トークン
  • 必要なときだけ読むと13,258トークンで5.1倍の差
  • 本数が100本になると、毎回渡す方式は1回113,400トークン

スキルのパッケージ化とは何をする仕組みなのか

手順や決まりごとをひとまとまりにして名前を付け、必要な場面でだけ読み込ませます。普段は名前と説明だけが見えています。

スキルのパッケージ化は、まとまった手順に名前を付けて置いておき、その場面が来たときだけ中身を読ませる仕組みです。

切り出す目安

Anthropicは判断の目安を示しています。同じ指示や確認事項、複数手順の作業を繰り返し貼り付けているとき、あるいは常時読ませる設定ファイルの一節が事実ではなく手順になってきたときだ、という書き方です。

つまり分かれ目は事実か手順かにあります。「担当は第一課」は事実なので常時置いてよく、「請求書の発行はこの12工程で行う」は手順なので切り出す対象になります。

普段は読み込まれない

ここが効きます。同じ文書では、常時読ませる設定と違ってスキルの本文は使われるときだけ読み込まれるので、長い参考資料を置いても必要になるまではほとんど費用がかからないとされています。

ですから分量を気にせず書けます。工程が20あるなら20書いてかまいません。読み込まれるのは、その作業をする回だけです。

一覧は毎回渡る

ただし何があるかは常に見えている必要があります。名前と短い説明の一覧は毎回渡されるため、そこは本数に比例して増えます。

余談 呼ばれない原因は説明文にある

運用していて多かったのは、作ったのに呼ばれないスキルでした。中身は正しいのに、説明文が「請求書について」のように広すぎて、いつ使うかが伝わっていません。編集部では、説明文に「〜するとき」という場面を必ず入れるようにしています。

出典Claude Code Docs「Extend Claude with skills」2026-08-17 確認
Skills extend what Claude can do.
原文Claude Code Docs「Extend Claude with skills」 この内容の有効期限2027-02-17

手順書6本を毎回渡すと68,050トークン、必要なときだけなら13,258トークン

手順書を実際に生成して測りました。10回の依頼で毎回渡すと68,050トークン、必要なときだけ読むと13,258トークンです。

スキルのパッケージ化で何がどれだけ変わるのかを、手順書を作って測りました。用意したのは7工程から15工程までの手順書6本です。

手順書は実際に生成しており、バイト数は実測値です。ただしトークン換算は日本語1文字あたり約1.5トークンという係数を置いた概算になります。

javascript
const bytes = (s) => Buffer.byteLength(s, 'utf8');
const toTok = (b) => Math.round((b / 3) * 1.5);   // 日本語1文字≒1.5トークン

// 10回の依頼。使う手順書は1回につき1本だけ
const REQUESTS = [0, 2, 0, 4, 1, 0, 3, 5, 1, 0];
const alwaysLoad = toTok(total) * REQUESTS.length;
const onDemand = REQUESTS.reduce((a, i) => a + toTok(sizes[i]), 0);
// 必要なときだけ読む場合、どの手順書があるかの一覧は毎回渡す
const onDemandTotal = onDemand + indexTok * REQUESTS.length;
text
手順書          工程数   バイト数   換算トークン
請求書の発行          12工程     2623       1312 tok
入金の消込            9工程     1972        986 tok
契約書の点検          15工程     3241       1621 tok
在庫の棚卸           11工程     2378       1189 tok
経費の精算            8工程     1771        886 tok
採用面談の記録          7工程     1624        812 tok
合計                         13609       6805 tok

10回の依頼で読み込むトークン量(1回につき1本だけ使う)

全部読み込む:         68050 tok
必要なときだけ読む:   13258 tok
  内訳: 本文 11728 tok + 一覧 153 tok × 10回

比: 5.1倍

内訳を見ると仕組みが分かります。必要なときだけ読む側は、本文11,728トークンに一覧の153トークンを10回ぶん足しただけです。

使わない手順書のぶんが乗る

毎回渡す方式では、1回の依頼につき6本すべてが読み込まれます。実際に使うのは1本なので、残り5本ぶんは毎回そのまま無駄になります

6本ならまだ許容できるかもしれません。ところが本数が増えると、この無駄がそのまま比例して増えていきます。

本数を増やしたとき

同じ長さの手順書が並ぶとして計算すると、100本で1回あたり113,400トークンになります。1回の依頼ごとに、です。

必要なときだけ読む方式では、増えるのは一覧のほうだけです。1本につき数十トークンなので、100本でも一覧は数千トークンに収まります。

使わない手順書のぶんが毎回乗る。本数に比例して増える。

1回あたりのトークン量11340006本20本50本100本全部読み込む必要なときだけ読む(一覧+本文1本)手順書6本の実測から、同じ長さの手順書が並ぶとして計算した。一覧は1本あたり約26トークン。
図1 ── 本数ごとの、毎回渡す場合の1回あたりトークン量
出典Claude Code Docs「Extend Claude with skills」2026-08-17 確認
Unlike CLAUDE.md content, a skill’s body loads only when it’s used, so long reference material costs almost nothing until you need it.
原文Claude Code Docs「Extend Claude with skills」 この内容の有効期限2027-02-17

どこまで切り出せばよいのか

手順になっている部分だけです。事実は常時置いたままにし、切り出したものは呼ばれたかどうかを確かめてください。

スキルのパッケージ化で迷うのは、何を切り出し、何を常時置いたままにするかです。分け方には目安があります。

事実と手順で分ける

  1. 手順になっているもの。工程が並ぶ、確認事項が並ぶ
  2. 参考資料として長いもの。使うときだけ読めばよい
  3. 常に守ってほしい決まりごと。切り出さない
  4. プロジェクトの前提となる事実。切り出さない

3番目と4番目を切り出すと、呼ばれなかった回には効かなくなります。常に効いてほしいものは、毎回送る側に置いてください。詳しくはシステムプロンプトの記事で扱っています。

呼ばれたかを確かめる

切り出したら、実際に呼ばれているかを見てください。呼ばれなければ、その手順は存在しないのと同じです。

呼ばれない原因はたいてい説明文にあります。「請求書について」ではなく「請求書を発行するとき」と場面を書くと、判断の材料が増えます。

1本の大きさ

1本にまとめすぎると、読み込まれたときの量が大きくなります。逆に細かく割りすぎると、どれを呼ぶべきか迷いが出ます。

目安はひとつの作業を最後までやり切れる単位です。前の節で測った手順書は7工程から15工程で、これくらいが扱いやすい大きさになります。

常に効いてほしいものを切り出すと、呼ばれない回に効かなくなる。

充足 2 / 4工程や確認事項が並んでいる手順は使う回だけ読めばよい。6本で10回の依頼なら5.1倍の差になるいつ使うかを1文で書ける場面が書けないと呼ばれない。呼ばれなければ存在しないのと同じ常に守ってほしい決まりごと切り出すと呼ばれなかった回に効かない。毎回送る側に置くプロジェクトの前提となる事実手順ではないので切り出す対象にならないスキルに切り出してよい条件。手順書6本の実測では毎回渡す方式との差が5.1倍だった。
図2 ── 切り出すかどうかの判断
読み込まれても守られるとは限らない手順書が読み込まれたことと、そのとおりに実行されたことは別です。工程を飛ばしていないかは、結果の側で確かめてください。指示による制御の限界はガードレールの記事で、実行の記録はエージェント可観測性の記事で扱っています。
出典Claude Code Docs「Extend Claude with skills」2026-08-17 確認
Create a skill when you keep pasting the same instructions, checklist, or multi-step procedure into chat, or when a section of CLAUDE.md has grown into a procedure rather than a fact.
原文Claude Code Docs「Extend Claude with skills」 この内容の有効期限2027-02-17

よくある質問

システムプロンプトに書くのと何が違いますか
システムプロンプトは毎回まとめて送られます。スキルは中身が使われるときだけ読み込まれるので、長い参考資料を置いても普段は負担になりません。
どんなものをスキルにすべきですか
同じ指示や手順を何度も貼り付けている場合です。事実ではなく手順になっている部分が目安として案内されています。
使われなかったらどうなりますか
呼ばれなければ読み込まれません。ただし呼ばれるかどうかは説明文で決まるため、説明が曖昧だと必要な場面で使われないことがあります。
何本まで置けますか
本文は使うときだけ読まれるので、本数自体は増やせます。ただし一覧は毎回渡すため、そこは本数に比例して増えます。

まとめ

  • スキルは手順を切り出して、使うときだけ読ませる仕組み
  • 10回の依頼で毎回渡すと68,050トークン
  • 必要なときだけなら13,258トークンで5.1倍の差
  • 毎回渡す方式は本数に比例して増える

今日から始められること

  1. AIに毎回貼り付けている手順や決まりごとを書き出す
  2. そのうち手順になっているものをスキルに切り出す
  3. いつ使うかが伝わる説明文を1文で書く
  4. 実際に呼ばれたかどうかを記録して確認する

実務で組んだスキルのパッケージ化のワークフローには、値段が付きます

同じ課題を持つ会社にとって、動いている設定は「作る時間」を買えるということです。ServiceDockは自作のワークフローやテンプレートを出品できるマーケットプレイスです。手数料や出品の流れは出品者向けページにまとまっています。

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