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ハルシネーション検出とは|意味を反転させた回答は、4通り試して全部素通りした

ハルシネーション検出とはどう確かめるのかどの崩れ方が見つからないのか誤検出はどれくらい出るのか

回答の数値も部署名も根拠と一致しているのに、自己負担が会社負担に変わっていた回答があります。

4通りの見つけ方をぶつけました。検出率はすべて0%でした。

この記事の要点

  • 文単位の照合で検出80.4%
  • ただし正しさは59.7%
  • 意味の反転は4通りとも0%
  • 引用の完全一致は54.1%しか通らない

意味を反転させた回答は、4通り試して全部素通りした

見つけ方を4通り変えて測りました。字面が変わらない崩れ方は、どの方法でも拾えません。

ハルシネーション検出がどこまで届くのかを、実際に走らせて測りました。用意したのは社内規程の条文と、それに対する回答の組3000件です。

回答のうち一部は、わざと根拠から外しました。数値の書き換え・条件の追加・宛先の取り違え・意味の反転・根拠を使わない一般論の5種類です。

4通りの見つけ方

javascript
const WAYS = [
  ['文字の重なりだけで見る', (ans, ev) => overlap(ans, ev) < 0.6],
  ['数値の一致を見る', (ans, ev) => nums(ans).some((x) => !ev.includes(x))],
  ['数値と固有名詞を見る', (ans, ev) =>
    nums(ans).some((x) => !ev.includes(x)) || depts(ans).some((d) => !ev.includes(d))],
  ['文ごとに支えを確かめる', (ans, ev) => unsupportedSentence(ans, ev)],
];
text
規程の条文と回答の組 3000件。根拠から外れたもの 1228件・外れていないもの 1772件

見つけ方              見つけた  取りこぼし  誤検出  検出率    正しさ
文字の重なりだけで見る               423件        805件    686件     34.4%     38.1%
数値の一致を見る                  269件        959件      0件     21.9%    100.0%
数値と固有名詞を見る                498件        730件      0件     40.6%    100.0%
文ごとに支えを確かめる               987件        241件    666件     80.4%     59.7%

※ 検出率=外れたもののうち見つけた割合、正しさ=見つけたもののうち本当に外れていた割合

文ごとに支えを確かめる方法が検出率80.4%で最も高くなりました。それでも241件は取りこぼしています。

取りこぼしの中身

text
  根拠: 宿泊費の上限は1泊7000円とする。超過分は自己負担とする。申請は出発の6営業日前までに営業課へ提出する。
  回答: 上限は1泊7000円です。超過分は会社の負担です。申請は出発の6営業日前までに営業課へ出してください。

金額も日数も部署名も一致しています。字面の重なりも高いままです。変わったのは誰が払うかだけです。

この1文が実務では最も痛い誤りです。数えられる要素をいくら照合しても、この種類は拾えません

出典も重要な情報は必ず検証すること、とりわけ判断の重みが大きい場面ではと述べています。検出は絞り込みであって、置き換えではありません。

最も高い方法でも、5件に1件は取りこぼす。

単位: %文ごとの照合80.4%数値と固有名詞40.6%文字の重なり34.4%数値の一致21.9%条文と回答の組3000件での実測。見つけたもののうち本当に外れていた割合は、順に38.1%・100.0%・100.0%・59.7%だった。
図1 ── 見つけ方ごとの検出率
出典Anthropic「Reduce hallucinations」2026-08-18 確認
Always validate critical information, especially for high-stakes decisions.
原文Anthropic「Reduce hallucinations」 この内容の有効期限2027-02-18

崩れ方の種類ごとに、得意な方法が違う

同じ検出でも、崩れ方によって当たり外れが極端に分かれます。1つの方法で全部を見ることはできません。

ハルシネーション検出を評価するときは、全体の検出率だけを見ても足りません。崩れ方を分けると、方法ごとの性格が見えます。

種類で割って見る

text
崩れ方              件数     文字の重なりだ   数値の一致を見   数値と固有名詞   文ごとに支えを
数値の書き換え              630件        0%      100%      100%      100%
条件の追加                602件       84%        0%        0%      100%
宛先の取り違え              446件        0%        0%      100%      100%
意味の反転                469件        0%        0%        0%        0%
根拠を使わない一般論           374件      100%        0%        0%      100%

数値の一致を見る方法は、数値の書き換えを100%見つけます。ところがそれ以外はすべて0%です。

見ている対象が数字だけなので、当然の結果です。検出の範囲は、何を照合しているかで決まります

正しい回答を疑ってしまう

同じ計測で、崩れていない回答をどれだけ誤って疑ったかも測りました。

text
回答の書き方          件数     文字の重なりだ   数値の一致を見   数値と固有名詞   文ごとに支えを
崩れなし(写し)              2193件        0%        0%        0%        0%
崩れなし(言い換え)             848件      100%        0%        0%      100%
崩れなし(単位換算)             438件      100%        0%        0%       89%

根拠をそのまま写した回答は、どの方法も疑いません。ところが言い換えた回答は100%が疑われました

中身は正しく、金額も部署も合っています。読みやすく書き直しただけで外れと判定されるわけです。

同じ出典は別の確かめ方として同じ指示で複数回動かし、出力どうしを比べる方法も挙げています。字面の照合とは別の角度で、揺れの大きい回答を拾えます。

崩れ方によって、当たる方法がまったく違う。

文字の重なり数値の一致数値と固有名詞文ごとの照合数値の書き換え条件の追加宛先の取り違え意味の反転一般論0%1〜30%31〜60%61〜90%91〜100%条文と回答の組6000件での実測。条件の追加に文字の重なりを当てた場合が84%で、そのほかは0%か100%だった。
図2 ── 崩れ方と見つけ方の相性
出典Anthropic「Reduce hallucinations」2026-08-18 確認
Run Claude through the same prompt multiple times and compare the outputs.
原文Anthropic「Reduce hallucinations」 この内容の有効期限2027-02-18

引用を付けさせても、そのまま一致するのは半分

引用付きで答えさせると照合が楽になります。ただし完全一致だけを通すと、正しい引用も落ちます。

ハルシネーション検出を運用に載せるとき、よく使われるのが回答に引用を付けさせるやり方です。出典もこの手を勧めています。

出典の言い方は回答を作らせたあとで、主張ごとに支えとなる引用を探させて確かめることもできるというものです。実際に照合してみました。

text
引用の状態                          件数     割合
根拠にそのままある                           1083件    54.1%
語尾だけ変わっている                           509件    25.4%
別の条文から引いている                          259件    13.0%
根拠のどこにもない                            149件     7.4%

そのまま一致するのは54.1%です。半分近くは、どこかしら形が変わっています。

どこまで許すか

語尾だけ変わったものまで許すと79.6%が通ります。ここは許して構いません。中身は根拠と同じです。

問題は残りです。別の条文から引いた13.0%は、形の上では実在する文なので、存在確認だけでは通ってしまいます。

問いに対応する条文の中にあるかまで見ないと、この取り違えは残ります。存在するかではなく、どこにあるかを見ます

運用で決めること

  1. 照合の対象。数値・固有名詞・文単位のどこまで見るか
  2. 許す差。語尾や単位の違いを通すかどうか
  3. 引く範囲。問いに対応する条文の中に限るか
  4. 人が見る条件。機械が拾えない種類をどう回すか

検出だけでは、意味の反転が残る。

充足 2 / 4崩れ方を種類に分けている全体の検出率だけでは、意味の反転が0%であることが見えない正しい回答の誤検出を測っている言い換えた回答は100%が外れと判定された引用の完全一致だけを通しているそのまま一致するのは54.1%で、正しい引用まで落ちる検出だけで人の確認を外している字面が変わらない崩れ方は、どの方法でも拾えない条文と回答の組3000件・6000件・2000件での実測にもとづく。
図3 ── 運用にのせる前の点検項目
余談 この計測での注意

使ったのは式で作った条文と回答です。実際の回答はもっと長く、崩れ方も混ざります。ここで見せているのは、照合する対象を変えると何が拾えて何が残るかという関係です。根拠の取り方はRAGの記事で扱っています。

出典Anthropic「Reduce hallucinations」2026-08-18 確認
You can also have Claude verify each claim by finding a supporting quote after it generates a response.
原文Anthropic「Reduce hallucinations」 この内容の有効期限2027-02-18

よくある質問

数値の一致を見れば足りますか
足りません。この計測では検出率21.9%でした。数値が合っていても、条件を足したり意味を反転させたりできます。
文字の重なりで見るのはどうですか
誤検出が増えます。正しい回答でも言い換えると重なりが下がり、この計測では言い換えの100%を外れと判定しました。
一番良い見つけ方はどれですか
文ごとに支えを確かめる方法が検出率80.4%で最も高い結果でした。ただし見つけたもののうち正しかったのは59.7%です。
見つからない崩れ方はどうしますか
意味の反転は字面が変わらないので機械的な照合では拾えません。重要な判断は人が確かめる前提を残します。

まとめ

  • 回答を根拠に照らす仕組み
  • 字面の一致では反転を拾えない
  • 言い換えが誤検出を生む
  • 重要な判断は人が確かめる

今日から始められること

  1. 自社の回答を50件集め、根拠と並べて読む
  2. 崩れ方を分類し、どの種類が多いか数える
  3. 機械的に拾える種類と拾えない種類を分ける
  4. 拾えない種類について、人が見る手順を決める

実務で組んだハルシネーション検出のワークフローには、値段が付きます

同じ課題を持つ会社にとって、動いている設定は「作る時間」を買えるということです。ServiceDockは自作のワークフローやテンプレートを出品できるマーケットプレイスです。手数料や出品の流れは出品者向けページにまとまっています。

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