クラウド実行環境

Fly.ioとは|拠点を16に増やしても、書き込みの片道は25.3msのまま変わらなかった

拠点を増やすとどこまで近づくのか書き込みも速くなるのか止められると何が変わるのか

拠点を1つから16に増やすと、読みの片道は25.3msから2.4msになりました。

同じとき書き込みは25.3msのままです。受ける場所が1つだからです。

この記事の要点

  • 16拠点で読みは2.4ms
  • 書きは25.3msのまま
  • 差は10.7倍に開く
  • 300秒で止めれば54.0%

8拠点で2.4msに届き、そこから先は変わらない

近くで動かすので読みは速くなります。ただし効くのは、利用者の集まりを覆うまでです。

Fly.ioは、利用者の近くでアプリを動かします。公式はFly.ioはアプリケーションを利用者に物理的に近いところで動かす。世界中の設備で、自分たちが運用する機械の上でと述べています。

どこまで近づけるのか。拠点の数を変えて実際に測って比べました。

拠点の数を変える

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利用者 200,000人を、7つの集まりに偏らせて置く
拠点はよく使われる場所から順に置く。距離1.0を片道 70ms として換算する

拠点の数    平均の片道      95%点      いちばん遠い人      1拠点だけの場合との比
       1拠点        25.3ms      48.0ms              50.0ms                   1.00倍
       2拠点        14.6ms      35.3ms              41.2ms                   0.58倍
       4拠点         6.5ms      25.3ms              29.6ms                   0.26倍
       8拠点         2.4ms       3.8ms               4.4ms                   0.09倍
      16拠点         2.4ms       3.7ms               4.4ms                   0.09倍
      32拠点         2.4ms       3.7ms               4.4ms                   0.09倍

8拠点で平均2.4msに届きます。1拠点の0.09倍です。

16でも32でも同じ2.4msでした。利用者の集まりが7つなので、それを覆った時点で止まります

遠い人ほど効く

いちばん遠い人を見ると、1拠点で50.0ms、8拠点で4.4msです。11分の1になりました。

平均より裾のほうが大きく縮みます。拠点を増やす効果は、遠い人にいちばん強く出ます

拠点ごとに持ち合う形の弱点はAmazon CloudFrontの記事で扱っていて、増やすほど元への問い合わせが増えます。

集まりを覆った時点で、増やしても変わらなくなる。

単位: ms1拠点25.3ms2拠点14.6ms4拠点6.5ms8拠点2.4ms16拠点2.4ms32拠点2.4ms利用者20万人・集まり7つでの実測。いちばん遠い人は50.0msから4.4msまで縮む。
図1 ── 拠点の数と、読みの平均の片道
出典Fly.io ドキュメント「Fly.io Regions」2026-08-18 確認
Fly.io runs applications physically close to users: in datacenters around the world, on servers we run ourselves.
原文Fly.io ドキュメント「Fly.io Regions」 この内容の有効期限2027-02-18

書き込みの片道は、拠点をいくら増やしても25.3ms

どの地域にも置けます。ただし書き込みを受ける場所が1つなら、そこの距離は変わりません。

Fly.ioでは、置く地域を選べます。公式は次に挙げるどの地域にも、あなたのアプリを置くことができると述べています。

置ける場所が増えても、書き込みは別です。実際に測って比べました。

読みと書きを並べる

text
利用者 200,000人。書き込みを受ける場所は1つだけで、いちばん大きな集まりに置く
読みは近い拠点から返せる。拠点の数を変えて、読みと書きの片道を比べる

拠点の数    読みの平均      書きの平均      書きが読みの何倍
       1拠点        25.3ms          25.3ms              1.0倍
       4拠点         6.4ms          25.3ms              3.9倍
      16拠点         2.4ms          25.3ms             10.7倍

読みは25.3msから2.4msまで縮みます。書きはどの行も25.3msです。

差は1.0倍から10.7倍まで開きました。拠点を増やすほど、この開きは大きくなります。

割合で決まる

読みが9割を占める用途なら、拠点を増やす効果はそのまま出ます。書きが多い用途では、ほとんど変わりません

だから先に測るのは、読みと書きの割合です。拠点の数はその後で決まります

書き込みも分ける場合は、Amazon S3の記事で見たように、同じものを別々に直したときの扱いを決める必要が出てきます。

出典Fly.io ドキュメント「Fly.io Regions」2026-08-18 確認
You can host your apps in any of the following regions.
原文Fly.io ドキュメント「Fly.io Regions」 この内容の有効期限2027-02-18

300秒で止めれば、起動時間は常時の54.0%

すぐ止めて、すぐ立ち上げられます。止めるまでの秒数が、そのまま起動時間になります。

Fly.ioの計算の単位は、すぐ止めて立ち上げられます。公式はFly Machinesは素早く立ち上がる仮想機械であり、1秒に満たない速さで起動と停止ができると述べています。

止められると起動時間がどれだけ減るのか。実際に流して数えました。

止めるまでの秒数を変える

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30日ぶん・要求 27,000件(日中に寄せてある)
要求が途切れてから何秒で止めるかを変えて、起動していた時間を見る

止めるまで      起動していた時間      常時起動との比      立ち上げに当たった件数
          0秒               0.0時間                0.0%                 27,000件
          5秒              35.6時間                4.9%                 24,254件
         30秒             166.9時間               23.2%                 14,548件
        300秒             389.0時間               54.0%                    190件
       3600秒             419.2時間               58.2%                     30件

300秒で止めれば、起動時間は常時の54.0%です。立ち上げに当たるのは190件だけになります。

3600秒まで延ばしても58.2%です。4.2ポイントしか変わりません。日中はどのみち動き続けるからです。

速いから選べる

30秒で止める設定なら23.2%まで下がりますが、立ち上げに当たるのは14,548件です。全体の半分を超えます。

立ち上げが1秒に満たないなら、この14,548件はほとんど気にならない待ちになります。速いことが、短い設定を選べる理由になっています。

余談 この計測での注意

3つの計測はいずれも手元で書いた模型で、実際のFly.ioを使ったものではありません。利用者の位置は7つの集まりに偏らせて置いたもので、実在の分布ではありません。距離も平面上の直線で計算しており、実際の経路はこれより長くなります。距離1.0を片道70msとする換算も置いた値です。要求の時刻も日中に寄せた形で作っています。ここで見せているのは、拠点を増やす効果は集まりを覆った時点で止まるという点と、書き込みを受ける場所が1つなら拠点の数では変わらないという点の2つです。

出典Fly.io ドキュメント「Fly Machines」2026-08-18 確認
Fly Machines are fast-launching VMs; they can be started and stopped at subsecond speeds.
原文Fly.io ドキュメント「Fly Machines」 この内容の有効期限2027-02-18

よくある質問

Fly.ioとは何ですか
利用者の物理的に近いところでアプリを動かす仕組みです。世界各地の設備で動かすと説明されています。
拠点を増やせば速くなりますか
読みは速くなります。1拠点25.3msが8拠点で2.4msになり、そこから先は変わりませんでした。
書き込みも速くなりますか
受ける場所が1つなら変わりません。16拠点でも25.3msのままでした。
使っていない時間は止められますか
止められます。300秒で止める設定なら、起動時間は常時の54.0%になりました。

まとめ

  • 近くに置くと読みが速い
  • 8拠点で頭打ちになる
  • 書きは1か所で決まる
  • 止められると時間が減る

今日から始められること

  1. 利用者の分布を調べる
  2. いまの拠点の数と位置を確かめる
  3. 読みと書きの割合を測る
  4. 止めるまでの秒数を決める

実務で組んだFly.ioのワークフローには、値段が付きます

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