決済に失敗した1000件を4回まで試すと、304件が通りました。試行の合計は3271回です。
通らない理由を1回で止めても、回収は299件でした。5件しか減らないのに、試行は821回減ります。
いつ、何回、どの失敗に対してやり直すかを決めます。決めていないと、通らない相手に何度も当たり続けます。
督促・リトライは、決済に失敗したあと、いつ何回やり直すかを決める設計です。
失敗したからといって、その利用者が離れたわけではありません。Stripeの説明も決済はさまざまな理由で失敗する可能性がありますが、その多くは回復可能ですとしています。
残高が足りなかっただけなら、給料日を過ぎれば通ります。すぐ解約にすると、戻ってくるはずの利用者を失います。
3番目が次の節の主題です。理由によって、やり直して通る見込みがまったく違います。
確定的な拒否が返ってきた場合、やり直しても通りません。カードの紛失や盗難、番号の誤りといった理由です。
Stripeの説明も、こうした場合についてこれらの失敗の場合、スケジュール済みの再試行は引き続き行われますが、支払いはお客様が新しい決済手段を取得した場合にのみ実行されますとしています。
理由ごとの回収の見込みはこちらで置いた値です。実際の割合は、扱う商材や利用者層で変わります。ここで見せているのは、理由で分けると試行の回数がどれだけ減るかという関係です。送り直しの間隔そのものの設計はリトライ設計の記事で扱っています。
失敗1000件を理由ごとに分けて数えました。回数を増やすより、理由で分けるほうが効きます。
督促・リトライで回数を増やすとどうなるのかを、実際に走らせて数えました。用意したのは決済に失敗した1000件です。
理由は5種類に分けました。理由ごとに、やり直して通る見込みを変えてあります。
理由 件数 1回目で通る 4回試して通る 残高不足 475件 18% 40% 限度額超過 178件 22% 36% カード期限切れ 190件 2% 8% 一時的な通信の失敗 75件 85% 93% カード無効 82件 1% 2%
上の表を見てください。一時的な通信の失敗は1回目で85%通ります。カード無効は4回試しても2%です。
試行の回数 回収できた件数 回収率 追加の試行回数
1回 170件 17.0% 1000回
2回 245件 24.5% 1811回
3回 256件 25.6% 2616回
4回 304件 30.4% 3271回
1回だと17.0%、4回まで試すと30.4%です。回収は増えますが、試行は3271回に膨らみます。
2回目から3回目では、回収が245件から256件で11件しか増えません。試行は805回増えています。
やり方 回収できた件数 試行の合計 全部を4回まで試す 304件 3271回 通らない理由は1回で止める 299件 2450回
回収は304件から299件になりました。5件しか減っていません。
一方で試行は3271回から2450回になりました。821回が不要だったことになります。
この821回は、通らないと分かっている相手への問い合わせです。決済の手数料も、利用者への通知も、そのぶん発生します。
回収はほぼ変わらず、試行だけが減る。
これらの失敗の場合、スケジュール済みの再試行は引き続き行われますが、支払いはお客様が新しい決済手段を取得した場合にのみ実行されます。原文Stripe ドキュメント「支払いの再試行を自動化する」 この内容の有効期限2027-02-18
再試行はいつか終わります。そのとき契約をどうするかを決めていないと、請求だけが積み上がります。
督促・リトライには終わりがあります。Stripeの説明も最後の支払い試行が行われると、Stripe はそれ以降、支払いの試行を行いませんとしています。
打ち切ったあとの扱いは、あらかじめ選んでおくことになります。解約する、未払いとして扱う、期日超過のまま置くという選択肢が用意されています。
3番目を選ぶと、通らないまま請求だけが積み上がります。あとで一括請求になり、利用者との話が難しくなります。
2番目を持たないまま回数だけ増やすと、前の節の821回のような無駄が出ます。理由ごとに分けて記録することが出発点です。
再試行と同じだけ、利用者に何を伝えるかも設計です。カードの期限切れなら、更新してもらえば通ります。
前の節でカード期限切れは190件ありました。ここは自動では通らない一方で、連絡すれば戻ってくる可能性がある層です。
回数を増やす前に、理由で分ける。
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