投稿2万件のうち有害なものは603件でした。しきい値0.3で見逃しは0件になります。
その代わり、無害な投稿を13962件止めました。全体の7割です。
有害かどうかの二択ではなく、程度の点が返ります。止めるかどうかは、その点をどこで切るかで決まります。
コンテンツモデレーションは、有害な内容を検出して止める仕組みです。人の投稿にも、AIの出力にも当てます。
出典もこの位置づけをアプリケーションやサービスの中で、利用者が作った内容とAIが作った内容の両方について有害なものを検出するサービスと説明しています。
検出の結果は「有害・無害」の二択ではありません。どれくらい有害らしいかの点が返ります。
止めるかどうかを決めるのは使う側です。点のどこで切るかを、こちらで決める必要があります。
4番目を「止める」だけにすると、判断の幅がなくなります。迷う範囲を人に回すという選択肢を残しておきます。
以降では、この点をどこで切るかを実際に測ります。切る位置で結果がどう動くかが主題です。
Azure AI Content Safety is an AI service that detects harmful user-generated and AI-generated content in applications and services.原文Microsoft Learn「What is Azure AI Content Safety?」 この内容の有効期限2027-02-18
しきい値を下げれば見逃しは消えます。無害な投稿を止める件数が、そのぶん跳ね上がります。
コンテンツモデレーションのしきい値を動かすと何が起きるのかを、実際に走らせて測りました。
投稿2万件を用意し、そのうち3%を本当に有害としました。実際に有害だったのは603件です。
しきい値 止めた件数 うち正しい 見逃し 誤って止めた 見逃し率 誤検出率 0.3 14565件 603件 0件 13962件 0.0% 72.0% 0.5 3805件 576件 27件 3229件 4.5% 16.6% 0.6 1148件 460件 143件 688件 23.7% 3.5% 0.7 276件 256件 347件 20件 57.5% 0.1% 0.8 88件 88件 515件 0件 85.4% 0.0% 0.9 12件 12件 591件 0件 98.0% 0.0%
しきい値0.3なら見逃しは0件です。有害な投稿はすべて止まります。
ところが止めた件数は14565件で、そのうち13962件は無害でした。投稿の7割が止まる状態です。
0.6まで上げると、誤検出は688件まで落ちます。見逃しは143件に増えます。
0.8まで上げれば誤検出は0件です。見逃しが515件になるので、有害な投稿の85.4%が通ります。
出典も目的を内容を選り分ける仕組みは、規制への適合や、利用者にとって意図した環境の維持に役立つとしています。どちらを優先するかで位置が変わります。
見逃しと誤検出は同時に減らせない。
Content filtering software can help your app comply with regulations or maintain the intended environment for your users.原文Microsoft Learn「What is Azure AI Content Safety?」 この内容の有効期限2027-02-18
割合で見ると小さく見えます。無害な投稿のほうが桁で多いので、件数では大きく出ます。
コンテンツモデレーションで見落としやすいのが、割合と件数のずれです。しきい値0.6の行を見ます。
誤検出率は3.5%です。数字だけ見れば小さく見えます。ところが件数は688件あります。
同じ行で正しく止めたのは460件です。止めた1148件のうち6割が無害という状態になります。
無害な投稿は19397件あります。有害な603件の32倍です。
この比のせいで、誤検出率が小さくても件数では逆転します。有害の割合が低い場ほど、この逆転は強く出ます。
止められた側から見れば、正しいかどうかは関係ありません。688件ぶんの問い合わせが来ると考えて設計します。
この計測の有害率は3%です。実際の場では0.1%のことも、10%のこともあります。割合が変われば、同じしきい値でも件数が変わります。
出典も検証の必要性をいずれの場合も、自分の用途で機能することを確かめるため、自身で検証すべきであるとしています。
似た構造は個人情報検出の記事でも測っています。母数が大きいほうに引きずられる点は共通です。
割合が小さくても、母数が大きければ件数は大きい。
点の分布は式で作ったものです。実際の判定器はもっと切れが良いことも、悪いこともあります。有害を3%という割合で置いた点も、場によって桁で違います。ここで見せているのは、見逃しと誤検出が同時には減らないことと、割合が小さくても母数の大きさで件数が膨らむという関係です。
In all cases, you should do your own testing to ensure that it works for your application.原文Microsoft Learn「What is Azure AI Content Safety?」 この内容の有効期限2027-02-18
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