RAG・検索基盤

Chromaとは|言い換えで聞かれると語の検索は40.0%、混ぜると53.3%になった

語の検索と意味の検索はどう違うのか絞り込みはいつ行うのか絞る場所で何が変わるのか

語が違う言い換えで聞かれると、語だけの検索は上位3件の適合率が40.0%でした。

意味の検索と混ぜると53.3%です。片方が外しても、もう片方が拾えます

この記事の要点

  • 語だけだと40.0%
  • 混ぜると53.3%
  • 後から絞ると10件に届かない
  • 絞らないと24件が漏れる

言い換えで聞かれると、語だけの検索は40.0%

複数の探し方を組み合わせられます。組み合わせる価値は、聞かれ方のばらつきで決まります。

Chromaでは、探し方を組み合わせられます。公式は似ているかどうかで問い合わせ、複数の探し方を組み合わせると述べています。

組み合わせるとどれだけ効くのか。実際に検索して数えました。

言い換えで聞いてみる

text
語が違う言い換えで聞いたとき、上位3件に正解が入るか(問い 5件)

問い                    語の検索だけ  言い換えを補う  両方を混ぜる
ホテル代の限度額                         33%         67%         67%
出張手当は日帰りだと                       67%         67%         67%
仮払の申請                            67%         67%         67%
消耗品の購入                           33%         33%         33%
レポートの提出期限                         0%         33%         33%

上位3件の適合率  語の検索だけ: 40.0%   言い換えを補う: 53.3%   両方を混ぜる: 53.3%

元の語で聞いた場合(比較)
  語の検索だけ: 46.7%

語だけの検索は40.0%でした。元の語で聞いた場合の46.7%より6.7ポイント低くなっています。

「レポートの提出期限」は語だけだと0%です。使われている語が違うので、1件も当たりません。

混ぜても同じ場合がある

言い換えを補う形と、両方を混ぜる形はどちらも53.3%でした。この5問では差が出ていません。

「消耗品の購入」はどの方式でも33%です。探し方を変えても届かない問いが残ります

混ぜ方そのものはハイブリッド検索の記事で扱っていて、重みの置き方で結果が動きます。

語だけの検索は、聞かれ方が変わると当たらなくなる。

語の検索だけ言い換えを補う両方を混ぜるホテル代の限度額出張手当は日帰りだと仮払の申請消耗品の購入レポートの提出期限0%33%67%上位3件に正解が入った割合。5問での実測で、全体の適合率は40.0%・53.3%・53.3%。
図1 ── 問いごとの当たり方
出典Chroma 公式ドキュメント「Introduction」2026-08-18 確認
Query by similarity and combine multiple search strategies.
原文Chroma 公式ドキュメント「Introduction」 この内容の有効期限2027-02-18

後から絞ると、4人全員が10件に届かなかった

付帯する情報で絞れます。ただし絞る場所を間違えると、件数か安全のどちらかを失います。

Chromaでは、問い合わせの時点で絞れます。公式は付帯する情報の条件によって、問い合わせの時点で結果を絞ると述べています。

絞る場所を変えると何が起きるのか。実際に返して数えました。

絞る場所を変える

text
文書 400件・利用者 4人。上位10件を返す

絞る場所              利用者    返した件数  見えてはいけない件数
絞らない                営業             10件                   5件
検索の後に絞る             営業              5件                   0件
検索の前に絞る             営業             10件                   0件

絞らない                経理             10件                   6件
検索の後に絞る             経理              4件                   0件
検索の前に絞る             経理             10件                   0件

絞らない                人事             10件                   7件
検索の後に絞る             人事              3件                   0件
検索の前に絞る             人事             10件                   0件

絞らない                技術             10件                   6件
検索の後に絞る             技術              4件                   0件
検索の前に絞る             技術             10件                   0件

絞らなければ10件返せますが、見えてはいけない文書が延べ24件混ざりました。

検索の後に絞ると漏れは0件になります。ただし返せたのは3件から5件で、4人全員が10件に届きませんでした。

前に絞れば両方満たせる

検索の前に絞れば、10件を返して漏れも0件です。3つのうちこれだけが両方を満たします。

後から絞る形は、安全は保てても件数を保てません。上位10件の中に、その人が見てよい文書が少ないためです。

権限を含めた探し方は権限を意識したRAGの記事で扱いました。

出典Chroma 公式ドキュメント「Introduction」2026-08-18 確認
Filter results at query time by metadata conditions.
原文Chroma 公式ドキュメント「Introduction」 この内容の有効期限2027-02-18

条件に合う文書が2.9%だと、後から絞って87.8%を落とす

埋め込みを使わない検索も持てます。組み合わせるときは、絞る順番が結果を決めます。

Chromaでは、埋め込みを使わない検索もできます。公式は埋め込みを使わずに、データに対する語と正規の表現による検索ができると述べています。

その検索を絞り込みに使うとき、順番が効きます。実際に探して数えました。

絞る順番を変える

text
文書 20000件。部署5種・年度7種の条件を持つ
問い 300件。条件に合う文書の中から上位 10件を取りたい

やり方                        1問の比較  取れた件数  取りこぼし  取りこぼし率
探してから絞る(上位10)                     20000件        366件       2634件         87.8%
探してから絞る(上位100)                    20000件       1126件       1874件         62.5%
探してから絞る(上位1000)                   20000件       3000件          0件          0.0%
絞ってから探す                           20571件       3000件          0件          0.0%

条件に合う文書は1問あたり平均 571件。全体の 2.9%

上位10件を取ってから絞ると、87.8%を取りこぼします。条件に合う文書が全体の2.9%しかないためです。

先に絞れば0件です。しかも比較の回数は20,000件と20,571件でほとんど変わりません

割合が小さいほど効く

上位を1000件まで広げても0件になります。ただし100倍の件数を取り出して捨てることになります。

条件に合う割合が小さいほど、この差は開きます。先に絞れるかどうかが、設計の分かれ目です。

余談 この計測での注意

3つの計測はいずれも手元で書いた模型で、実際のChromaを動かしたものではありません。問いは5件、文書は400件から2万件という小さな規模で、適合率の水準はそのままあてはまりません。言い換えの作り方も手で用意したもので、実際の問い合わせの分布とは違います。権限の割り当ても生成したものです。ここで見せているのは、語だけの検索は聞かれ方が変わると当たらなくなるという点と、絞る場所によって件数と安全のどちらかを失うという点の2つです。

出典Chroma 公式ドキュメント「Introduction」2026-08-18 確認
Keyword and regex search over your data without embeddings.
原文Chroma 公式ドキュメント「Introduction」 この内容の有効期限2027-02-18

よくある質問

Chromaでは語での検索もできますか
できます。埋め込みを使わずに、語や正規の表現でデータを検索できると説明されています。
複数の検索を混ぜる利点は何ですか
片方が外しても、もう片方が拾えます。この計測では40.0%が53.3%になりました。
絞り込みはいつ行いますか
問い合わせの時点で、付帯する情報の条件によって結果を絞れると説明されています。
絞る場所で何が変わりますか
返せる件数です。後から絞ると10件に届かず、4人全員が足りませんでした。

まとめ

  • 語と意味は当たり方が違う
  • 混ぜると取りこぼしが減る
  • 絞るのは問い合わせの時点
  • 後から絞ると件数が足りない

今日から始められること

  1. 言い換えで聞かれる問いを集める
  2. 語だけの検索での当たり率を測る
  3. 絞り込みをどこで行っているか確かめる
  4. 返す件数が足りているか数える

実務で組んだChromaのワークフローには、値段が付きます

同じ課題を持つ会社にとって、動いている設定は「作る時間」を買えるということです。ServiceDockは自作のワークフローやテンプレートを出品できるマーケットプレイスです。手数料や出品の流れは出品者向けページにまとまっています。

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